時代が令和になってから、はや一ヶ月が過ぎました。
そして気が付けば2019年ももうすぐ折り返し。
本当に時間というのは過ぎ去るのが早いな~と思いつつ、今回読んでみたのは『日経トレンディ』です。
2019.6月号では「令和ヒット予測」を特集に組んで、新時代の「売れる法則」を読み解こうという趣旨のようです。
ヒット商品の紹介というよりは、それがなぜどういう層にヒットしているのかを解説するスタンスなのが、さすがはビジネス誌というところですね。
第二特集は「得するキャッシュレス」。
キャッシュレスという言葉自体はよく耳にするようになりましたし、使いこなしている人も多いと思います。
ですが、私はまだ「QRコード決済って具体的にはどうするの?」というレベルなので、少し知っておきたいなという気持ちもありました。
『日経トレンディ』2019.6月号目次
●第一特集・令和ヒット予測
食品、飲料、家電・デジタルなど12の商品ジャンルの中から、まず「19年上半期にヒットしたもの」を選定。
そこから更に「売れ行き」「新規性」「影響力」の三つの評価項目に着目して「上半期ヒット大賞」を決める。
また、下半期に注目が予想される新商品や、売り上げが爆発的に伸びそうなものを「令和ヒット予測」としてピックアップ、という流れになっています。
面白かったのが、上半期ヒット商品、すなわち平成最後に売れた「9つの大賞」のラインナップでした。
それが
- 悪魔のおにぎり
- キリンレモン
- Shark EVOPOWER
- スマホ決済
- ルックプラスバスタブクレンジング
- UZU EYE OPENING LINER
- ボヘミアンラプソディー
- ワークマンプラス
- Vitaliy
という、一見無秩序なもの。
そして、新しいものやサービスに混じって「キリンレモン」が入っているのがまたすごい。
と、いいますか、キリンレモンがヒットしていたこと自体知りませんでした。
この9つの商品のヒット理由、そしてこれからヒットするであろう商品やサービスに関するキーワードとして挙げられていたのが以下のとおり。
- デジタルに温もりを
- 心地よいつながり
- いじられたい
- プロユース
- あなた仕様
- 昭和回帰
上の三つについてはSNSとの関連性もかなり高いキーワードなのでしょうね。
SNSから人気が高まったキャンディス(氷砂糖のシロップ漬け)、わさビーズ(イクラのような見た目のわさび)などの紹介もありました。
ものすごい勢いで口コミが増えるということは、試してみたいという人も増えるというわけで、なるほど、納得であります。
「プロユース」と「あなた仕様」というのは、みんなで同じものの写真をSNSに投稿するような方向性とは反対で、「みんなとは少し違ったものが欲しい」というベクトルの欲求のように思われますが、案外それも根っこは同じような気がするんですよね~。
「これとこれをチョイスした自分のセンス」をアピールする感といったら変かもしれませんが、やっぱりみんなに見せることをどこかで意識してるんじゃないかなという。
まぁ色々な人の意見を目にするのは、非常に参考になるので何でもいいのですが。
そして、「昭和回帰」に当たるのがキリンレモン。車の分野ではクラウンやジムニーなどが再脚光を浴びているとのことです。
クルマやオートバイについては全く知識がありませんが、定番、むしろアンティークなデザインで、中身は最新鋭というのはロマンですね。銀河鉄道999のようではないですか。
そういえば昔、imacが出た時もちょっとレトロな見た目の可愛いmacということでかなり人気が出たことを思い出しました。
更にこの特集の「美容・アパレル」部門における令和ヒット予測には、「肩パッドファッション」がまさかのノミネート!
…日経さん、大丈夫なの?これ…
いくら実際に18年秋冬のパリコレで披露されていたからって、日常の街着に戻ってくるかどうかは難しいんじゃないかと思うけどなぁ。
と、まぁあちこちツッコミを入れつつ面白く読みました。
『LDK』などの商品モニター系の特集とはまた違った切り口で、かつ「恋するおしりヒップケアソープ」などといった超ニッチな商品の存在を知ることもできましたし。
プラ製ストロー廃止の動きを受けて販売が開始されたという紙製ストローや、クラウドファンディングのタイトルと調達額のリストも面白かったです。
普段自分ではなかなか目にしないものや、テレビなどでCMをしていない商品を知る機会になるという点が、この「トレンディ」誌のアドバンテージなのかな。
もちろん本来の趣旨からいえば、このキーワードやヒットメーカーたちのインタビュー記事を自分の手掛ける商品の売り上げアップにつなげるのが正しい読み方ですし、その役割を果たすだけの特集だと思います。
第二特集●店舗別 得するキャッシュレス
4月上旬の一週間、記者が日常生活の中で使ったスマホ決済の内容と、それによるポイント還元や値引きをまとめたレポートが主な内容でした。
コンビニでの食品、衣料品店や家電量販店、ドラッグストアでの買い物により、
計¥17118の買い物で¥3136分、約18%相当の得になった
という結論でしたが…
個人的には全然真似できる気がしません。
セブンイレブンでメルペイを使い、ローソンでPayPayを使い、ビックカメラでLINE Payを…
なんていちいちやってられませんって。
利用するスマホ決済は一つや二つに限らず、各サービスを上手に使い分けて
とのことですが、それくらいなら普通に店舗別のポイントカードでポイントを貯めた方がよくない?と思うわけですよ。
実際のところ、高額な買物には還元率の高い店舗独自のカード(洋服の青山のAOYAMAカードなど)の利用が推奨されており、必ずしもキャッシュレスや○○ペイの良さが伝わってこなかったのでした。残念です。
ただ、お得な支払方法についてつらつらと眺めていると、意外にも「楽天Edy」と「dカード」が結構な頻度で出てくるのに気が付きました。
そういえば、私も両方持っていますね。使ってはいませんが。(というか、そもそも使い方がよくわからない。)
と、いうことは、今の私の状況ですと、無理に○○ペイを使ってみようと思わずに、まずは楽天Edyとdカードの活用を考えた方がいいのかもしれません。
そういう結論に達したのが、この記事の最大の収穫でした。
特集とは少し外れますが
今号で一番興味を惹かれた記事、それは「月刊日経XTREND」。
〝新市場を作る人のデジタル戦略メディア〟というコンセプトの連載らしく、あまり私の関心が向きにくい記事なのですが、一見してびっくりしました。
〝握り寿司〟も印刷する時代に
10万円で究極のパーソナライズ
…はい?
何を言っているのかわかりません。
後半はともかく、前半のぶっ飛び具合は一体何なの?
握りずしを印刷?
よくよく読んでみても、今一つ理解できたかどうかは定かではないのですが、要するに「食」をデータ化し、3Dプリンターによって再現する「スシ・シンギュラリティ」なる取り組みだとのこと。
建築設計をするCADと同じように、食材の栄養素や味、食感、香り、温度や色、3D形状などを全部コンピュータで管理、設計、制御するのだと。
最終的な目標は、食の究極的なパーソナライゼーション。アレルギーの有無や現時点での必要な栄養素などを分析して提供する食材に反映させていくものだそうです。
えぇ~…まるっきりSF小説の世界じゃないですか…
ショックを受けていたら、20年には東京に最初のレストランをオープンする計画ということで、更に驚き。
もう実現に向けて走っているんですねぇ。
世界各地で同じ味を再現できるよう、利用する原材料は入手が容易なものにするとか、昆虫や代替肉なども選択できるようにすることで、地球規模での食糧の持続性を目指すなど、かなり未来を見据えた本気のプロジェクトのようです。
この先、どうなっていくんでしょうか。
面白そうでもあり、恐ろしくも感じます。
ただ、「思い出の味」をデータ化することによって、いつでも再現して味わえるようになるというのは素敵かも…
いや、思い出はやっぱり思い出に留めておいた方がいいのかな、とそんな風にも思いました。
食の未来にまつわる記事は、特集の「令和トレンド分析」にもありまして、こちらでは主に「宇宙食」としてのアプローチでした。
宇宙での持続的な食料の生産供給を目指し、培養肉や藻類のスープ、細胞培養マグロなど様々な方向性の食材開発が進んでいるということです。
そうか~、本当に宇宙時代に近づいているんだなぁと、しみじみ思いました。
「宇宙食」の技術は、地球上での効率的な食料生産などにつながりますので、一般の人たちにもまったく無縁というものではありません。
こちらの分野からのヒット商品も近々出てくるのかもしれません。
『日経トレンディ』2019.6月号感想とまとめ
最近のヒット商品をさらっとおさらいし、今年下半期に注目すべきものの予備知識を得るという観点からは、満足でした。
まったく知らなかった食の分野の最先端に触れられたことには、大興奮。
技術の進歩ってすごい!そして怖い!
ただ、「日経」誌の楽天マガジン版は読めないところが多くて、そこががっかりポイントです。
次号7月号は6月4日発売とのことなので、紙媒体ではもう出てますね。
6月号の配信が先月23日からでしたから、そういうところにも楽天マガジン版のハンデがあるということのようです。
7月号の特集は「筋肉貯金&健康貯金」、「Jリーグビジネス No.1」とのこと。
2019.5.23配信開始//2019.7.26配信停止
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