『PRESIDENT』良質の睡眠で仕事の能率を向上させる【2018.9.17号】

『PRESIDENT』【2018.9.17号】表紙

タイトルのインパクトがものすごい。
「頭がよくなる睡眠、バカになる睡眠」。
よくプレジデント社がそんなタイトルを採用したな、と感じました。
「バカ」ってストレートな単語を使っているからというわけではなくて、
言い回し自体があまり品がよろしくないような。
「バカになる睡眠」、ねぇ。うーん。

勝手なイメージですが、雑誌ごとに個性というかグレードがあって、そこから外れると違和感を覚えます。
それが少し意外で面白そうに感じる場合もあるんですが。

さて、今回の『PRESIDENT』、特集タイトルには少し引っかかりを覚えたものの、内容的には「睡眠のすべてを最新科学をもとに解明する」という真面目な内容です。

少し前に読んだ『ナショナルジオグラフィック』や、『COURRiER JAPON』でもでも「睡眠」の特集が組まれていましたから、最近のトレンドなのかもしれません。
この2冊とは何か違った知識が得られるでしょうか。

『PRESIDENT』2018.9.17号目次

何だか前回よりも読めるところが多いような…

『PRESIDENT』2018.9.17号目次1 『PRESIDENT』2018.9.17号目次2 『PRESIDENT』2018.9.17号目次3

特集●頭がよくなる睡眠、バカになる睡眠

最新「大人の脳科学」入門、というコピーがついています。
そして、キーワードになるのが「睡眠負債」。
「睡眠負債」は単純ミスを繰り返し、物忘れが多くなるなど、仕事上のパフォーマンスを低下させる原因となるそうです。

「睡眠負債」の定義がまとめられておらず少しわかりにくかったのですが、「最適な睡眠時間に足りていない睡眠時間が、日々積み重なっていくこと」を指すと考えればよさそうです。

大多数の人にとって、適切な睡眠時間は6.5時間から7.5時間の間だそう。睡眠時間が少なくても平気な、いわゆるショートスリーパーの存在については言及されていませんでした。
現実には6時間の睡眠をとってさえ、「睡眠負債」を抱え込むというデータがあるそうです。

“6時間睡眠を2週間続けると、脳の反応速度は2日間徹夜したのと同じレベルまで下がる”

睡眠負債に陥っているかどうかを見分けるポイントは、

  • 起きた時のスッキリ感がない
  • 午前中に眠くなる
  • 布団に入るとすぐ眠りに落ちる

の3つ。

中でも3つ目は「寝つきがいい」と誤解されがちですが、本来なら深い眠りに落ちる前に15分ほどのまどろみを経るのが健康的な眠りなので、このまどろみがないのは睡眠負債が溜まった状態となるのです。

睡眠負債は長年続くと、肥満、高血圧症、免疫力低下などの原因となり、さらにそこから認知症や癌、うつ症状といった深刻な病気を引き起こす可能性があるとのこと。

『ナショジオ』や『クーリエ』にも、適切な睡眠時間を確保する重要さについてはさんざん書かれていましたが、本誌でも論調は同じです。
ただ、『PRESIDENT』はビジネスエリート御用達雑誌(?)だけあって、睡眠負債軽減のための具体的な提案をしてくれます。

ビジネスエリートが使っている「最新睡眠アプリ」ガイド

眠りの深さをセンサーで感知し、眠りが浅くなったタイミングでアラームを鳴らすスマホのアプリの紹介があります。中には「睡眠負債」を記録して警告してくれるものも。

なかなか眠れない人向け

  • 不思議な脳波
  • Water Sound
  • Binaural

リラックスするサウンド系のアプリです

なかなか起きられない人向け

  • おこしてME
  • デラオキ
  • Sleep Cycle

アラームを留めるまでにスマホをシェイクしたり、設定したタスクをクリアするなどの作業をするアプリです。

睡眠を記録・分析する

  • Sleep Meister
  • Airweave sleep analysis
  • Somnus

睡眠の深さを記録するとともに、データを分析することができるアプリです。

睡眠の質をよくするアプリ

  • 寝たまんま簡単瞑想
  • Mindfulness
  • エンハーブ

上のふたつは瞑想支援アプリ、最後のものはハーブ専門店の公式アプリです。睡眠に効くハーブティーやエッセンシャルオイルについて知りましょうという趣旨での紹介でしたが、少し毛色が違うかな。

いずれのアプリも有料機能もありますが、基本的な機能は無料で使えるようですので、試してみるのもいいですね。

個人的には「Sleep Meister」が気になりますので、今度使ってみようかとと思います。

正しい「夜の生活習慣」ベスト12

「今の医学では、良質な睡眠をとること以外で疲労を回復させることはできない」

疲労医学を専門とするクリニックの梶本修身院長は、そう断言しているとのことです。
また、

「肉体的疲労も精神的疲労も疲れの仕組みは同じで、自律神経の中枢の疲れが原因」

というのが、一番驚きました。
思った以上に、心と体は密接につながっているんだなぁ、と。

体の疲れだけでなく、心の疲れをとるためにもとにかく睡眠は重視しなければいけないというわけですね。
何冊も「睡眠特集」の雑誌を読んで、その重要性を認識しているにもかかわらずなかなか実践に結びつけることができずにいます。本当にそろそろ改善しなければ…

さて、心身の疲労をより軽くするためには、質の良い睡眠をとるのが一番です。
特に難しいことではなく、日頃の生活習慣を少し変えることで、いつもの睡眠の質を高めることができるようです。
その方法が以下のとおり。

  1. 就寝3時間前までにアルコール、コーヒー、タバコをやめる
  2. 就寝1時間半前までにパソコンやスマホの利用を終了する
  3. 10分程度入浴する
  4. オレンジ系の白熱灯や間接照明を使用する
  5. 寝る前にコップ一杯の常温の水を何回かに分けて飲み脱水症状を予防する
  6. 空腹を感じた時は、消化が良く血糖値の上がりやすいものを食べる
  7. 眠くなってからベッドに入る
  8. 寝室内はできるだけ暗く、快適な温度にする
  9. 朝はやさしい音色の音楽やラジオなどを目覚ましにする
  10. 軽くてもいいので必ず朝食と、ノンカフェインの水分を取る
  11. 男女、季節に関わらず、日中は紫外線対策をする
  12. 昼食後、30分以内の仮眠をとる

日中の紫外線対策、というのが少し意外でしたが、紫外線は自律神経中枢を疲弊させるため避けるべし、というのがその理由でした。
入浴については、汗をかかない程度に少し深部体温を上げることで、眠りにつきやすくなるそうです。半身浴や、シャワーでも体が温まるならOK。交感神経が優位にならないよう、熱すぎる温度は控えた方がいいのですね。

必ずしもすべてを実行する必要はないので、できることから取り入れればいいというゆるさも嬉しいところです。
私ができそうなのは5番でしょうか。本当は2番を習慣づけたいのですが、なかなか難しそう。

『PRESIDENT』2018.9.17号感想とまとめ

他の雑誌よりも実際に使える内容が多く、参考になりました。スマホアプリは試してみるつもりです。
正直言って、前回の【2018.7.16号】は期待が大きくて(主に山中教授の記事に対するわくわく感)、その分、肝心な記事が電子版には掲載されていないという事実に裏切られた気分でしたが、期待せずに読んだら非常に面白かったです。こういう評価もどうかと思いますが。

他にもビジネス雑誌ならではの「輝け!中小企業の星」というタイトルの連載なども、感心しながら読みました。何だろう、前回よりずっと、全体的に楽しかったです。印象が変わりました。

一回読んで「うーん、ちょっとどうかな…」と感じても、別の特集でまた評価が変わる可能性がある、というのは雑誌の面白いところだと思います。

今後も、面白そうな特集を見つけたら読むことにします。

2018/8/27配信開始//2019.2.27配信停止




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