『COURRiER JAPON』ちょっと感想に困る。完全に人によって面白さが変わる【2018.8月号】

『COURRiER Japon(クーリエ・ジャポン)』2018.8月号表紙

『COURRiER JAPON』。これは全く知らない雑誌でした。何と読むのかも、ちょっと怪しいレベル。「クーリエ・ジャポン」だそうです。

専門誌なのかと思えばさにあらず。表紙には「サイト会員だけが読める記事から厳選!」と書いてあります。どういうことかというと、クーリエジャポンはもともとは雑誌でしたが、2016年からは有料の会員制ウェブメディアとして運営されているとのこと。
そして、楽天マガジンなどで配信されているのは、そのウェブ版から抜粋された記事。

どんな記事を扱っているのかには、はっきりとした特色があります。

「COURRiER Japon(クーリエ・ジャポン)」は、世界1500メディアから記事を厳選し、翻訳・編集しているウェブメディアです。

「ニューヨーク・タイムズ」「ガーディアン」「ル・モンド」「エル・パイス」など、世界のビジネスパーソンが目を通しているメディアの記事に加え、既存の日本メディアがカバーしきれない編集部オリジナル記事をお楽しみいただけます。

つまり、基本的に海外の話題を幅広く扱っていると考えればよさそうですね。
それは一般受けしないわ。
と、半ば確信しましたよ。

雑誌というのは、ある程度ジャンルというか、取り扱う分野が定かでないと手を出しにくいと思うのです。興味のあるジャンルだからこそ買うのに、まったく知らない・興味のない記事が入っていたら、その分、損をしたような気にもなってしまう…… のは私だけかもしれませんが。

だから、『COURRiER Japon(クーリエ・ジャポン)』の購読者は「海外のありとあらゆるジャンルに興味のある人」という、なかなかニッチな層プラス「その号で取り上げられた特定の話題に興味がある」いわば流動的な読者であって、苦戦するのが当たり前というかなんというか。

とは言え、WEBマガジンとしての工夫はされているようです。
読者に人気のあった過去記事をアーカイブとして提供する、全訳が読みたい記事のリクエストを受け付けるなどはいい企画だと思います。
まぁ、人気のあった記事が自分の読みたい記事かどうか、自分の読みたい記事のリクエストが実現するかははっきりしませんが。私の好みは、正直言ってマイナーなことが多いので、どうしても悲観的な見方をしてしまいます。

さて、今号の『COURRiER Japon(クーリエ・ジャポン)』ですが、表紙からゴシップ誌のような印象を受けました。あまり品がよろしくないというか、信用に足るかどうか疑わしい感じというか。
でも一応発行元は講談社。メジャー中のメジャーですね。
そして、他国の雑誌記事を引用・翻訳し、自国の読者に向けて出版する形式の元がフランスの『COURRiER』という雑誌だそうです。なるほど。

これも勉強のため、ということでトライしてみます。

『COURRiER Japon(クーリエ・ジャポン)』2018.8月号目次

特集記事は「噂の真相」ということで、全部で5項目。多いのか少ないのか、判断に迷います。

『COURRiER Japon(クーリエ・ジャポン)』2018.8月号目次

特集●噂の真相 in the WORLD!!

面白そうかな、と思ったのは、五つ取り上げられた噂のうち二つだけでした。
それでもざっと全部に目を通したのですが、読みにくくてあまり内容がアタマに入ってきません。

たとえば見開きのイラストの上に白抜きの部分があって、そこに小さな文字が並んでいるのは、まるでひと昔のホームページのデザインのようです。いや、これが海外のスタンダードなのかもしれない。
他の記事も、写真と文字の配分がいまひとつしっくりこないというか、読むべきところが少ないという印象を受ける誌面の構成です。

ただ、一つ気づいたことがあります。いつもは読み進める時に拡大を多用するのですが、この雑誌に限っては一度もそうしませんでした。
と、いうことは「画面で読むことに最適化された文字の大きさ」と言えるのかもしれません。うーん、盲点でした。

とはいえ、肝心の内容が興味にスマッシュヒットしなければ何にもならないよね…
今回面白かった記事はこちらです。

睡眠科学者が説く「眠りの処方箋」

イギリスの『ガーディアン』誌からの記事だそうです。
内容は「夜8時間睡眠を確保し、規則正しい生活を送るべし。眠る時間が短かければ、寿命もそのぶん、短くなる」。

たった一晩睡眠時間が減っただけで、心拍数は何時間も上がり、高血圧につながる。
睡眠不足は体内細胞のインスリン反応を鈍化させ、高血糖になりやすくなる。
満腹信号ホルモンのレプリンが減り、空腹信号ホルモンのグレリンが増えることで、食事の量が増えがちになり、肥満の要因となる。
脳に沈着する毒性タンパク質を除去する能力が落ち、アルツハイマー病にかかるリスクが増大する。
……などなど、眠りと健康についての強い関係性が説明されます。

怖いのは、慢性的な睡眠不足だけではなく、たった一晩、4時間程度しか睡眠をとることができなかっただけでも、ナチュラルキラー細胞が7割程度まで低下してしまうというくだりでした。
実は、思いきり心当たりがあります。

私自身、睡眠障害を自覚しているのですが、免疫力が低下して白癬菌、つまり水虫の菌ですね、それがおなかや背中にまで回ってしまうというひどい状態になってしまいました。
だいぶ良くはなりましたが、疲れてくるとかゆみがぶり返しますし、かきむしって色素沈着を起こした肌は、もう悲しいくらいボロボロです。

こんなことになる前に、きちんと睡眠をとるようにすればよかったのですが……
ただ、

睡眠不足とは、睡眠時間が1日7時間未満のことを指す

というのは… 現代の日本では、大人はもとより小学生も「睡眠不足」なこともあるのでは?
私は小学生の頃は、忘れもしない夜8時就寝の朝7時起床。堂々の11時間睡眠で、夜にも2時や3時があるということが理解できなかった始末。これはアホかもしれません。

ですが、ここまでではなくとも、せめて7時間は…… 寝られるといいなぁ。
改めて、睡眠障害を何とかしようと思いました。

『COURRiER Japon(クーリエ・ジャポン)』2018.8月号 感想とまとめ

勉強になりました。
睡眠科学者のレポートと、それから「途上国への古着を送り再利用するリサイクルシステムは、既に崩壊している」という『ブルームバーグ ビジネスウィーク』(アメリカ誌)の記事ですね。

後者、要するに中国がそこそこの品質で低価格な新品を氾濫させたことで、システムが崩壊に至りつつあるというわけで、それは何もアパレル関係に限ったことではないなと感じました。

大切なのは消費者の意識を「安さ」から「質」に戻すこと

という一文がビビッドなテキスタイルの上にぽつんと載せられていたのですが、それには非常に共感しました。

次号予告らしきものは見つけられませんでしたが、掲載される記事によっては読むかもしれません。
できれば、その時までにもう少し読みやすい誌面になっていることを願います。

ところで、この雑誌が「ビジネス・経済」カテゴリに入っていることに、若干の困惑をおぼえるのですが、これでいいのでしょうか。「ニュース・週刊誌」っぽいのになぁ。

2018.7.7配信開始//2018.10.6配信停止




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