『PRESIDENT』加齢とともに知能は向上する。認知症予防の為にも頭を使おう【2019.8.2号】

『PRESIDENT』2019.8.2号表紙

『PRESIDENT』です。2019.8.2号のテーマは

20歳若くなる最強メソッド「若返り」入門

運動、食事、睡眠の他に、歯のケア、頭髪ケアときて恋愛、秘薬まで盛り込まれているところが、さすが男性向けですね。

是非「名医の最強アンチエイジング」大全なる記事が読みたかったのですが、これがまぁ楽天マガジン版ではざっくりとカットされていまして残念です。
と、いいますかほとんど読む価値が… 

プレジデント社の楽天マガジン版は総じてがっかり。

ですが、加齢と知能の関係について面白い記事がありましたので読んでみてよかったです。

『PRESIDENT』2019.8.2号目次

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特集記事の中身はほとんど読めず

60大でピークを迎える「結晶性知能」を生かす

公立諏訪東京理科大学の篠原菊紀教授によるレクチャーです。

今まで、脳の働きは年齢とともに衰える一方だと思っていましたが、実はそうではない。というところから始まります。

知能には大きく分けて「流動性知能」と「結晶性知能」の2種類があり、積み上げ型である「結晶性知能」は消えてなくならない上、年齢とともに深まっていくそうです。

いわゆる「亀の甲より年の劫」ということですね。
確か姥捨て山の話も、お年寄りの知恵は大事だから山の中にかくまわれたというものでしたし。

結晶性知能は加齢とともに向上する

人間の脳は知恵や知識や経験を貯めこんでいく「メモリー・マシン」で、記録された情報が増えるほど性能が上がります。
すなわち、加齢とともに能力が向上するということです。

(ただ、認知機能は低下するため、蓄積した知識が取り出しにくくなる、新しい情報を記憶しにくくなるのも事実です。)

この、「経験を積むほど高まる知能」という概念が「結晶性知能」です。

人間が持つ知能にはもう一つの種類があり、こちらは「流動性知能」と呼ばれます。
「経験とは無関係な知能」のことで、計算力や暗記力、思考力、集中力が含まれます。IQテストで測定されるのがこちらの知能です。

とはいえ、IQテストもトレーニングによって成績を上げることができますし、繰り返し同じテストを受けることによって年齢による特典の低下が見られなくなるなど、流動性知能の方も経験による向上は可能だそうです。

人間の知能は、この2種類が混合されているため、分野によってピークとなる年齢が異なります。
たとえば

  • 総合的な情報処理と記憶力のピークは18歳前後
  • 相手の表情を読む力は48歳
  • 仕事で用いる基本的な計算能力は50歳
  • 新しい情報を学び、理解する能力は50歳
  • 語彙力は67歳

といったところです。

語彙力のピーク

また、これはあくまで平均値であって、たとえば日頃から文章を読んだり書いたりしている人の場合、70歳を過ぎても語彙力は上昇していくことが明らかになっています。

重要なのは「メタ認知」

先ほど挙げたようなさまざまな能力を引き上げるのに必要なのが「メタ認知」です。

メタ認知とは、自分の視点だけで物事を見たり考えたりするだけではなく、その周囲の状況を上空から俯瞰するような、より高い見地から物事を考える能力のことです。

サッカー選手が、自分の目で見ている状況とその周囲の状況を観客席から眺めているような光景を思い描きながらプレイするというのが具体例です。

ビジネスの場面でも、「他社だったらこの状況でどうするか」、「一社だけではなく、経済全体をよくするにはどうしたらいいか」という問題意識を常に持つことで、一つの会社で磨いた能力を他業界でも活用できるようになるんですね。

そして、このメタ認知を可能にする意識は、訓練によって身につけることができるというわけです。

ビジネス誌を読んだり、異業種交流会に参加する際などに、ただ漫然と過ごすのではなく、他の業界の成功パターンや失敗パターンを知り、自分の業界に生かそうという努力があれば、メタ認知のスキルを得ることができます。

「頭」を使って能力低下を防ぐ

認知症というのは、流動性知能の低下とも考えられます。
この知能は20歳前後でピークとなり、以後落ちていきますが、「高齢になって流動性知能が落ちる時は、個人差が非常に大きい」ということがわかっています。

また、認知症のリスクを軽減すると明らかになっていることはいくつもあります。

  • 有酸素運動や筋力トレーニングなどの運動
  • 禁煙
  • 健康的な食事習慣
  • 脳トレ
  • 過度な飲酒の制限
  • 肥満、高脂血症、高血圧、糖尿病の防止

以上のことは生活習慣病防止のための習慣とほぼ一致していますが、これで知力も維持できるのです。

中でも「脳トレ」、つまり「頭を使うこと」は認知症を防ぐのに効果的とされています。
数学の問題を解く、クロスワードパズルをするというのが代表的なところです。

認知機能は「何かをいったん覚える。別の作業を行う。その後、先ほど覚えたことを思い出す」という「ワーキングメモリの多重使用」のテストではかられますので、そういう頭の使い方を日頃からするのがポイントとなります。

ちょうどここで、母が少し前に運転免許の更新の時に受けたテストのことを思い出しました。
紙に描かれた絵の内容を覚え、計算問題を解いてから、紙に何が描かれていたかを答える、といった内容だったと思うのですが、まさにそれですね。

ちなみに母はキィキィ文句を言いながらも一生懸命予習(?)をしていましたので、無事に免許も更新できました。少し脳も若返ったのではないでしょうか。

さて、このような「頭を使う仕事」は部下に任せず自分でやるようにするというのが、管理職のビジネスマンへのアドバイスとされていました。
定年前に経営的な仕事やクリエーティブな仕事をしていた人は、定年後も流動性知能が落ちないという研究もあるそうです。

現役を続ける3つの秘訣

  1. 70歳でも知能は伸びると意識する
  2. メタ認知により知識を横展開する
  3. 頭を使う「面倒な仕事」は自分でやる

積み上げ式の結晶性知能はもちろん、流動性知能も訓練すれば能力が高まります。
衰えがちになる能力を意識して、普段から使い、鍛えましょう。

『PRESIDENT』2019.8.2号の感想

知能に関する篠原教授の記事のほかに、「自宅で再現 天皇陛下の料理版が教える長寿レシピ」は非常に楽しく読みました。昭和天皇のお食事です。

天皇陛下のお食事

奇をてらったお料理ではないですし、家庭でも再現できる! とは思うのですが、そもそも材料が違いますからねぇ。

2019.7.12配信//2020.1.12配信停止




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