『週刊ダイヤモンド』数学はこれからの必修科目【2018.6.30号】

『週刊ダイヤモンド』2018.6.30号表紙

『ダイヤモンド・ザイ』は何度も読んだことがありますが、『週刊ダイヤモンド』は初めてです。今まで、ビジネス誌にはあまり興味がありませんでしたから。

少し調べてみたところ、1913年(大正2年)5月10日創刊という事実に驚嘆しました。長寿なんて呼べるレベルではありませんね。それだけニーズがあって、かつそれに応えつづけてきたということになりますか。

週刊ダイヤモンドは毎号「仕事に効く」タイムリーなビジネス情報が満載。独自の切り口による徹底した取材記事と豊富なデータ、見やすいビジュアルでビジネスパーソンが今もっとも知りたいニュースをわかりやすく分析・解説しています。

週刊誌なので、読み応えよりもニュースの速報性を重視しているのかなと思いきや、わかりやすく分析・解説がモットーなのがいいですね。
いち早く情報をゲットできても、そのあと自分でさらに調べたりまとめたり比較したりする手間が掛かれば、時間的なアドバンテージも目減りしますから。一冊読めば、ニュースの背景などを含め、ある程度の情報が得られるのは嬉しいですし、面白そうな特集ならウェルカムです。

そして、今週号の特集は「必修」使える数学。
まさかの数学です。

金利や原価の計算、売り上げの予測など、ビジネスのありとあらゆる面に数字と計算は付き物。ゆえに、ビジネスマンに数学が必要なのは理解できます。

ですが、数学に漠然とした苦手意識を持っている人が多いのも事実なのではないでしょうか。あるいは「ここの数字とそこの数字を使って計算する」という感じに、手法だけを先輩から教わって業務をこなしているものの、その意味するところがいまひとつわからない、とか。

私自身にも、根強い数学コンプレックスがあります。そして同時に、少しでもマスターしたいという気持ちも強い方だと思います。
そこで、大人になってから『数学ガール』などを読んだり、中学校数学のおさらい的な本を解いてみたりしましたが、未だに何が何だかわかりません。

『ダイヤモンド』の特集は、果たして救いになってくれるでしょうか?

『週刊ダイヤモンド』2018.6.30号目次

ほどよくボリューミー。

『週刊ダイヤモンド』2018.6.30号目次1 『週刊ダイヤモンド』2018.6.30号目次2

特集1●「使える!」必修数学

理解できるかどうか、どきどきしながら読み始めました。
プロローグでは、今後の社会を変える発明が純粋数学から生まれることを指摘しています。

あらゆる場面で働くことになるであろうAIも、仮想通貨の安全性を保障するのに必須である暗号も、根幹を支えているのは数学です。
医療、自動運転、製造、素材、そして物流といった分野にももちろん数学の理論は不可欠なもの。「現代社会の新たな基盤」とも呼べるのです。

ゆえに、数学の素養を持つ人材育成は急務であり、ビジネスパーソンにとっては必須の教養となるとのこと。

そこでページをめくると、突然インタビュー記事が現れました。
カドカワ社長の川上量生氏。…カドカワ?なぜ?

と思いつつ目を通すと、なんと川上社長は自費で数学のイベントを開催したり、家庭教師を雇って自ら学ぶなどの数学オタク…いえ、勉強家だそう。でも、なぜ?

意外な答えがそこにありました。

単純に面白いから、というとそれまでですが、「この世とは何か」といった、世界の秘密を知りたいという欲求からです。

胸を突かれました。
世界の秘密を知りたい、そんな思いは私の中にも確かにあります。だからこそ、(多少偏ってはいても)色々な分野の本を読み(ちなみに昨日読み終えたのは『おしゃべりな貝 拾って学ぶ海辺の環境史』、今日読み始めたのは『101人の腐女子とイケメン王子 腐女子<恋愛観>研究』)、雑誌を読んでいるといってもいいでしょう。

世界のかけらを拾っている感覚とでもいいますか。数学を学ぶということがそれと同列ならば、あぁ、とってもよくわかる。

と非常に共感しながら先を読みますと、

微積分は要る要らないを議論するまでもなく、必要なことは自明でしょう。

 

世界の秘密を知りたいという欲求を持っているならば、数学を諦めることは人生を諦めるのと同じことだと思いますけどね。

 

現代数学はこれからの人類に絶対必要な最低限の教養です。人間の知性が到達できる限界点を教えてくれるものでもある。

など、きっぱりと断定の嵐。いやー、すごい説得力。
そうか、私ももう一度数学をおさらいする! とすっかりその気になりました。

特集1.Part1●やっと分かった! 使える数学

ここからいよいよ実践メニューです。必修授業と題して、データ分析に不可欠な5項目を1時間目から5時間目までという形式で学びます。内容は以下のとおり。

  • 関数
  • 対数
  • ベクトル
  • 微分
  • 行列

1時間目は「まずは数式と関数に慣れよう」。
慣れたうえで、式が何を表現しようとしているか、使いどころはどこかを知ることが大事なのだそう。

この文系ビジネスマンのための「数学入門」講座のゴールは、このような苦手意識の払拭と数式の意味の理解です。

なるほど、やる気が出てきました。

2時間目「対数を使うとこんなにラク」― ここからさっそく理解が追いつかなくなります。
log。確かに見た覚えはある。でもそれが「対数」だったということは覚えていません。
その上、

log10 100というのは「10を何回掛けたら100になるか」でした。

と言われましても、ちょっと反応できません。間を端折って

対数は嬉しいことに、掛け算を足し算に変換してくれる。

で、もう何が何やら。何が嬉しいのかすらわかりません。……ダメかも。

こんな調子で「3時間目:微分=変化の割合の使い道」、「4時間目:ビジネスのカギ握るベクトル」、「5時間目:データ分析と行列の深い仲」と進むのですが、目が滑る滑る。

最後には放心状態で終わりました。無理。ちょっと無理。

思わず自己嫌悪に陥りそうになりましたが、次にめくったページには「東大の先生がおススメ!」の『数学マンガ』が紹介されていました。
なんという飴と鞭。
東大准教授がどことなく熱く語っているのが印象的です。面白そう。機会があったら読んでみます。

さて、この特集は、電子版では一部が読めない状態でした。
けれども、それほど違和感もなく読めましたので、抜粋がうまいのかもしれません。
先日読んだ同じ出版社の『ダイヤモンド・ザイ』もそんな感じでしたから、編集にセンスがあるのかな。さすが長寿誌の貫禄?

その他の特集と、連載記事、そして

特集2は「ホテル業界下克上! 民泊新法の衝撃」
連載記事としてはゴルフ、野口悠紀雄氏ほかのエッセイ、永田町ライヴ!などの政治記事が複数あるのが目を惹きました。

それから緊急レポートとして「大阪激震」。
目下のところは顕在化していない、中小企業の廃業リスクに警鐘を鳴らす記事でした。
天災直後に壊滅的な被害を受けたわけではなくとも、後々影響が出てくる場合もあるとか。確かにそうなのかもしれません。

今後しばらくは、大阪方面で生産されたものを積極的に購入できればと思います。

『週刊ダイヤモンド』2018.6.30号の感想とまとめ

私が数学アレルギーを直すためには、もう少し難易度の低いところから始めなければいけないようです。
ただ、今号の特集で学ぶべき分野はわかりましたので、最終的にそこまでたどり着けるようにしたいと思います。
まずはベクトルと行列の復習かなぁ…… それとも関数かなぁ。

次号予告は見つけられませんでした。特集によっては、また読みます。

2018.6.25 配信開始//2018.7.24配信停止




2 件のコメント

  • 数学の勉強って難しいですよね。
    でもこのホームページがあると、がんばろうって思う人が増えそうでいいですね。

    ぼくはいま 対数関数の微分が、社会の問題の何を解決するのかをしらべているところに、このサイトに出会いました。

    • 「数学は社会に出たら役に立たない」という意見を聞くこともありますが、
      表面にそれと見える形で出てこないだけで、実際は非常に大切なものですよね。
      少しずつでも勉強したいものです。

      sheenさんの調べものが進み、いつか解決するようお祈りいたします。

      コメントをありがとうございました。

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