『クロワッサン』実際に使える文章の書き方あれこれ【2018.6月25日号】

『クロワッサン』2018.6.25号表紙

『クロワッサン』といえば、なんとなく落ち着いた大人の女性誌というイメージがあります。
ウィキペディアによると

「日常生活を通して考える・男の暮し方女の暮し方」をキャッチフレーズに、生活だけでなくファッション・文化などを掲載する雑誌である。

だそうですが、あまり男性にアピールするポイントはない気がします。

たぶん一度くらいは自分で買って読んだことがありますが、それ以外は病院の待合室でこれといった雑誌がほかになかった場合の選択肢、という感じで、それほど積極的に手に取った覚えはありません。

想定読者層は30代終わりからでしょうか。あくまでイメージの話ですが、華やかさやにぎやかさとは遠く離れて、落ち着きがあって控えめながらも芯が強い…そして文芸誌に近く、少し重い印象でした。
年代がマッチしていなかったこともあると思います。私が一番紙媒体の雑誌を読んでいたのは20代から30代前半でしたしね。

さて、今回チョイスしたのはテーマが「スマホ時代の、伝わる文章術」だったからです。

読み書きは難なくできるはずなのに、いざ書こうと思うとなかなかうまくいかない、こういう時って何をどう書いたらいいの? と迷うことは、案外多いと思います。

Eメールやメッセージアプリでのやりとりも、確実なようで行き違いが起こってしまうもの。やり取りをする相手にできる限り誤解を与えないこと、そして過不足なく自分の思いや考えを伝えることの二点は心がけたいです。

はたして『クロワッサン』の今号の特集は、助けになってくれるでしょうか。

『クロワッサン』2018.6.25号の目次

いっぱい読めます。これは嬉しい。

 

 

特集●「スマホ時代の、伝わる文章術。」

まず導入部に、読者から寄せられた「文章によるコミュニケーションの困りごとや疑問」がたくさん。ひとつひとつを読んでいくと、

  • 敬語の使い方・相手との距離感
  • 礼儀正しい文章の形式

に迷う人が多いようです。
堅苦しくなく、さりとて失礼と思われるほどくだけた文章にも抵抗がある、といったところでしょう。

それを解決する手段として

  • ツイッター上で多くのフォロワーを持つ人が、ツイートに際して心掛けていること
  • トラブルに発展することもある、LINEのグループトークでのコミュニケーションのポイント
  • 大人の教養としての手紙の書き方と文例集
  • 敬語の解説(ドリル付き)

という項目が立てられています。

私はSNSには参加していない、といってもいい立ち位置なので、SNSでのいい点とも悪い点とも無縁ですが、そもそも「ツイッター」「LINE」そのものについては何も解説されていないのに驚きました。SNSはすでに知っていて当たり前、常識の域に達したということですか。

また、「スマホ時代」だからこそ直筆の手紙を送りましょうというコンセプトはわかるのですが、デジタルの話題から突然手紙の書き方に切り替わる構成に、少々混乱しました。

その後も、「敬語」の記事のあとにDHCの広告を兼ねたメイク紹介があり、連載の「家計塾」「手みやげ」の記事が各1ページ、そして今度は「句会」と「小説講座」の体験記事が始まり、「辞書編集者、校閲記者の考える新しい日本語とは」につながるというとりとめのなさ。

面白い記事ではありましたし、より趣のある文章を書くための基礎にはなると思うのですが、焦点がぼやけているのではないでしょうか。

そんなもやもやを抱えながら、再び連載記事のパートに入ります。
一言で表すなら文系のための連載という印象ですね。本と美術展、落語と映画と舞台。特に宝塚歌劇は私のストライクゾーンです。結構結構。

と、読み進めていたらまた突然やってきました。
「慣れたつもりが最も危険、仕事メールの基本を復習。」
って、ここで特集を蒸し返すのかっ!!そろそろ終わりのつもりで読んでたのに!!
いやぁ、びっくりしました。

隔週刊・ワンテーマの宿命?

的外れなことかもしれませんが、『クロワッサン』は隔週刊です。
だからこそ、メインテーマがどんっとあって、そこから派生する細かなトピックスを並べるという方式になっているのではないかと感じました。

少しカオスな構成も、そうだとしたら納得がいきます。最初の方に特集の記事を全部まとめると、連載記事ばかりが最後に残ってしまってだらだら感が出そうですし。

それでももう少し、特集記事にまとまりが欲しい。なんだかちょっと、私とはリズムが違う。ひとつひとつは面白いのに、そこが妙に残念です。

ちなみに、後半を過ぎて再開された特集記事は「仕事メールの基本」も「学校・職場へ提出する文書の雛形集」も想像以上に実用的だと思われます。
仕事でミスをした時の顛末書の書き方なんて、そうそう勉強する機会もなさそうですし、しっかり保存しておきます。もちろん使う機会が来ないことを祈りますが。

さて、今号の感想は「面白かった」です。
削られている記事もないみたいですし、着物の長期連載記事にはとても興味をそそられました。
配信停止になるまでに、気になる記事はもう一度くらい読み返すつもりです。
ただ次号のお知らせによると、特集は「夏野菜×酸味で、からだを整える。」―どちらも苦手なので、パスかなぁ。

2018.6.9配信開始//2018.7.9配信停止

 




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