『LDK』2019.8月号で一番気になったのは、巻頭特集の「最新スティック掃除機ベストランキング」でも総特集の「夏のちょこっと老けリセットバイブル」でもなく、若干地味な「乾麺32製品辛口採点簿」でした。
何がいいかと言って、普通にスーパーの売り場に並んでいる(ことが多い)商品を集めてテストしている点です。
わざわざお取り寄せをしたり、足を延ばして食べに行かなくてもOK!
これは基本的に面倒くさがりで出不精な私には非常に助かります。
会社の帰りにちょっと寄り道して、チェックしたものを買うだけですから。
と、いうわけでしっかり読みましたよ。
その前に今月の『LDK』の内容はこんな感じでした。
『LDK』2019.8月号目次
今号には「付録小冊子」がついていませんが、内容は盛りだくさんです。
家庭菜園の記事も非常に参考になりましたので、近々記録したいと思います。
小特集●乾麺32製品辛口採点簿
この特集には、そば・そうめん・うどんの3種類の乾麺のうち、スーパーでよく見かけるものを選び、プロが風味や食感をチェックした結果が掲載されています。
評価の項目は
- 味(30点)
- 香り(30点)
- 食感(30点)
- コスパ(5点)
- ゆで時間(5点)
の5項目で、合計すると100点満点となります。
味は「粉の風味が感じられるか」をメインに、雑味や塩分など全体のバランスを採点します。
香りでは口にした後の香りの広がり、そば粉、小麦粉の香りが引き出せているかをチェック。
食感はのど越しの良さ、口当たりやコシの有無に関する項目で、コスパは購入金額から1人前(約100ℊ)あたりの価格を算出して評価します。
ゆで時間も意外に重要なポイントです。夏は特に、長時間ガスを使って調理するのも暑くて大変ですからね。パッケージ記載のゆで時間・蒸らし時間での採点です。
おすすめのそば
16製品から、高得点だったものを三つ(3位が同点なので4種)記録します。
伝統の二八そば(山本かじの)
総合点:91点
香りが30点満点、味・食感がともに27点と素晴らしい評価でした。
コスパもよしで言うことなし。
香りとそばならではのざらざらした舌ざわり、エッジが効いた口当たりがしっかりと感じられて、プロも絶賛とのこと。
わぁ、これ探さなきゃ。
そば湯までおいしいそば 黒(はくばく)
総合点:86点
香り30点満点、味27点、食感24点
こちらも高コスパですが、ゆで時間が6~7分と長めなのが若干響きました。
「黒」という商品名なのは、そばの実を外殻まで挽いて麺にしたことで黒っぽくなっているからです。食塩無添加なこともあって、体によさそう。
歯切れのいい固さで、食べ応えがあるというのも嬉しいです。
北海道産100%国産の十割そば(山本かじの)
総合点:84点
味が30点満点、香り27点、食感が24点。
残念ながら、コスパが1点評価。原料費が高いんだろうなぁと想像はつきますが…
食感が少し控えめな点数なのは、そば粉100%ゆえにざらざら感が強いのでしょう。好みが分かれるといいますか。
それでも一度は試してみたいです。
百匁そば(石黒製麺)
総合点:84点
味・食感共に27点、香りが24点。
面白いのが750ℊ入りという大きめサイズなことでした。コスパはいいのですが、一人暮らしにはちょっと多すぎるかな。
角がしっかりと立つ太麺で、噛み心地や食べ応えがしっかりしているという評価でした。
太麺だったら、揚げて中華あんやドレッシングで食べても負けないと思いますし、案外いいかも。
おそばは、今まであまり積極的に食べる機会がなかったのですが、糖質オフ食材ですし、ルチンなどの体にいい成分も含まれていますので、これからは食べる機会を増やしたいと思います。
おすすめのうどん
最近では乾麺よりも、むしろ冷凍うどんの方がメジャーになっているのかもしれません。
今回評価の対象になったのは8種類で、うどん好きな私には少し物足りませんでした。
2種類を記録します。
稲庭うどん(稲庭うどん小川)
総合点:96点
味・香り・食感のすべてで30点満点。
さらにゆで時間は3分という短さで、こちらも文句なく5点満点。
問題はお値段のみ、という評価でした。
稲庭うどんは日本三大うどんのひとつですね。
味などはもちろん、半透明でつやつやした見た目も特徴で上質感があります。
お値段が張るとはいっても、そんなに毎日毎日食べるものでもありませんし、コスパにはこだわらずストックしておいてもいいかな。
うどん県のうどん(讃岐物産)
総合点:88点
食感29点、味27点、香り26点。全体的に完成度が高い評価ですね。
コスパも非常に高かったのですが、ゆでるのに10分を要するというのが残念ポイント。
一番の特徴は、讃岐うどん用に作られた「さぬきの夢」という香川県産小麦を100%使用しているということろです。まさに商品名のとおり、「うどん県のうどん」なんですね。
平打ちながらもちもちしており、生麺に負けない小麦の風味があるとのこと。
いいですね、美味しそう。今度探してきます。
うどんは大好きなのですが、ゆで時間が長いものが多いのが夏には厳しいかもしれません。
ついつい食べ過ぎてしまいますし…
おすすめのそうめん
そうめんも全8種の検証でした。
種類はたくさんあるのだと思いますが、あくまで一般的なスーパーで手に入れやすそうな商品ですからね。
手延べ素麺 揖保乃糸 特級品(兵庫県手延素麺協同組合)
総合点:96点
味・香り・食感のすべて満点の30点。
そうめんはゆで時間については差が出ませんが、5点満点。
(「ひやむぎ」になるとゆで時間が4分程度になり、減点が入ります)
お値段に関しては競合他社より断然高い、という評価でした。
「稲庭うどん」と同じ現象ですね。「揖保乃糸」も素麺界のトップブランドですし、お中元の定番でもありますから、いいお値段なのは当たり前なのかもしれません。
値段に見合った美味しさなら、文句なしです。
揖保乃糸には、大抵どこのスーパーでも取り扱いがあるという安心感もありますね。少し遠くのスーパーでしか売っていないというのも、私にとっては地味にストレスになりますので。
手延べ素麺 揖保乃糸 上級品(兵庫県手延素麺協同組合)
総合点:91点
食感:30点。味、香りともに27点。
コスパは1点上がって2点でした。
揖保乃糸がまさかのワンツーフィニッシュ。すごい結果ですね。
実は揖保乃糸の「手延ひやむぎ」が総合点86点で3位に入っていますので、もう「揖保乃糸にあらずんば素麺にあらず」的な強さでした。無双状態。
ちなみに「ひやむぎ」のコスパは4点! 5~8分のゆで時間が気にならなければ、ひやむぎを常食するのもありだと思います。
さて、「特級品」と「上級品」の違いは何かが気になるところですね。
揖保乃糸には
- 「上級」
- 「熟成麺」
- 「播州小麦」
- 「縒つむぎ(よりつむぎ)」
- 「特級」
- 「三神(さんしん)」
の区別、等級があるのです。
製造の時期や熟成期間、原材料で違いが出てきます。
一般的に流通しているのは「特級」までのようですが、その「特級」にしてもご贈答用的なランクです。
組合に選別された製造者のみが、厳寒期に上質な小麦粉を用いて作るという、特別なそうめんなんですね。
お値段が高いのも、確かに当然です。納得しました。
最高クラスの「三神」ともなると、原料の小麦粉の質はもちろん最高ですし、製造組合が選抜した数件の熟練の製造者にしか作れない、製造時期が「特級」よりも短い、麺の細さが一段と際立つといった、はっきりとした特徴があるそうです。
これはかえって「三神」が気になりますねぇ。
食べ比べしたいです、是非。
乾麺を美味しく食べるためのひと工夫
最後に、乾麺をさらに楽しむための豆知識をご紹介します。
1.めんつゆを緑茶で割る
いきなりインパクトのある提案が出てきたのでびっくりしました。
めんつゆを、緑茶で割る!?
濃縮タイプのめんつゆを緑茶で割ることによって、うまみ成分がアップしてよりおいしくなるのだそうです。
玉露入りのお茶だと、甘みがあってなお良しとのこと。
また、他にもめんつゆにプラスしておいしい調味料が
ねりごま:コクが出る
マヨネーズ:濃厚な味になる。つゆに飽きた時の味替えに
黒酢:味がしまる
その他、水でめんつゆを割るときに、だしを溶かすとより風味が上がるという豆知識も試してみたいと思いました。
2.麺を多くゆですぎてしまったら、揚げてみる
乾麺をゆでるとき、意外と量の見当がつかなくて多めになってしまうことはないでしょうか。
ゆでてしまったからといって、全部食べるのは大変ですし、かといって保存すると伸びてしまって美味しくない…
そういうときは、思い切って少量の油で揚げ焼きにするのがおすすめ。
揚げると食感も変わりますし、サラダのトッピング風にしても中華あんをかけて食べてもいいですね。
もちろん揚げた麺を、そのままめんつゆにつけて食べるのもありです。
3.プロがおすすめするベストな薬味
そば:みょうが、三つ葉
うどん:とろろ昆布、ひきわり納豆
そうめん:カボス、レモン
ずばり、上の組み合わせでした。
風味が豊かなそばは、香りがいいものと、細くてつるつるなそうめんには柑橘系を組み合わせることでよりおいしく感じられます。
うどんにはコシがあるので、とろみのある食感のものを合わせて変化を楽しめるようにということでした。
オクラやめかぶを組み合わせるのもおいしそうです。
4.麺は大きなお鍋でゆでる
大きなお鍋を使い、たっぷりのお湯でゆでるのが乾麺の基本です。
そうすることで、麺同士がくっつきにくくなり、ゆで加減が均一になります。
5.ゆでた後に氷水でしっかりしめる
冷たい麺を美味しく食べたいなら、この工程が非常に大事です。
麺がゆであがったら、まずざるに上げ、流水でごしごし洗うようにしましょう。
こうすることで、麺のぬめりが取れて、のど越しが確実に上がります。
その後、麺を氷水にさらしてしっかりしめます。
これでシャキッとした食感になるんですね。
うちは冷蔵庫の自動製氷機能を使っていないので氷のストックがなく、いつも水で洗う程度しかしていません。確かに食感がイマイチかもとは思っていました。
以上、夏においしい麺を食べるご参考に。
2019.6.28配信開始//2019.9.27配信停止
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