『ku:nel(クウネル)』はかなり前に、一度購読したことがあります。ミシン(裁縫)特集でした。『暮らしの手帖』のように、地味だけれどしみじみと味わい深い雑誌だという印象を持ったのを覚えています。とは言え、読んだのはそれっきりではありました。
今回読もうかと思ったのは、表紙にインパクトがあったからです。
べたっとした印象のピンクに、中高年のパリジェンヌと日本女性のコラージュ。
エリア情報誌にも似た手作り感もさることながら、「え?『ku:nel』?こんな雑誌だっけ」という驚きがありました。暮らし(スローライフ。←重要)に寄り添った本だと思っていたのに、50代~女性のおしゃれマガジンだったか、と。
ですが、髪形に関しての情報は、今の私が欲するところでもあります。
できればこの夏を乗り切るための涼しい髪形が紹介されていないかな、と思いつつ読書開始です。
『ku:nel(クウネル)』2018.9月号目次
これだけ読めれば充分です。
特集●「髪形を変えるとどうしてきれいになるの?」
まずはじめにイラストと共に紹介されているのが
- まとめ髪
- ニュアンスボブ
- 眉上バング
- タイトショート
- クラシカルボブ
- エアリーショート
- セミロング
の7種の髪形です。
「もっと上品に見せたい」、「元気な雰囲気を醸したい」という方向性に向けた提案ですね。
私にはニュアンスボブと眉上バングの区別すらあまりつきませんでしたが、「癖を生かす」こと、「シルバーヘア(白髪を染めすぎない)」のすすめには納得しました。
ウェイブヘアで簡単なまとめ髪にして、整いすぎないカジュアルなスタイルにするのはいいかもしれません。
でも一歩間違えばぼさぼさ髪の印象になってしまいそうな… その辺りのさじ加減が難しいような気もします。
ヘアゴムやピンを使ったまとめ髪の仕方も参考になりました。夏は少しまとめた方が涼しいですし。
他に、大人向けの髪色やヘアとファッションの関係性など、年齢層高めの女優さんの事例がたくさん。この辺りにはあまり関心が持てませんでした。
さりげなさがカッコイイ!パリのヘアスナップ
ここからは一転、面白かったです。
パリジェンヌは常に自然体。
それはよくわかっていましたが、いや、まぁ、なんという飾り気のなさよ。それでもちゃんと存在感はあるんだなぁ。
一番面白かったのが、「パートナーや恋人、夫から紙について言われた印象的な言葉は?」という質問が設けられていることです。それぞれのパリジェンヌのコメントに、「髪の色がステキだね、と言ってくれます」とか、「シンプルでモダンな髪型だと褒められますね」なんていうお答えが… なかには「何も言ってくれないのよ!!」「最近は、何も言ってくれなくなりました」という人もいましたが、はっきり言って少数派です。
恐るべしパリジャン、そしてパリジェンヌ…
というか、日本のアンケートでも同じこと、聞いてるんでしょうねぇ?
聞かないのは差別ってやつなんじゃないの?よく知りませんけど。
面白いわぁ。
フランス女性の髪のお手入れ方法がそれに続くわけですが、さすがに気象的条件や身体的条件が違いすぎるので、「よし!これを実践しよう!」という感じにはまったくならないのも面白い。
毎晩、シルクのスカーフで髪を保護して寝るということくらいなら何とかなりそうですが、髪を傷めないように洗うのは週に二回にしている…と言われてもねぇ。
カルチャーギャップとしか言いようがありません。
それにしても、なぜわざわざパリジェンヌを引き合いに出す必要性があったのか。
少し調べてみたら、当初の「こんな雑誌だったっけ?」という印象がほぼすべての理由だったようです。
『ku:nel(クウネル)』は2016年に大幅にリニューアルし、その際に雑誌のコンセプトが完膚なきまでに破壊しつくされた、と。
地味だけれども、他の雑誌では見たことのない底力のある特集を持っていた雑誌が、どこかで読んだことのあるようなものに変わってしまった、と。
リニューアルに関しては、色々な事情があるのでしょうから仕方がありません。けれども別物と言えるほどのリニューアルをするよりも、休刊した上で新雑誌を創刊した方がよかったのではないかとは思いますね。
既存の読者数が少なくてリニューアルを決定したという理由もあるのなら、なおさら。そんな少ない読者を囲い込む必要なんてないでしょ?
ともあれ、なーるほど。原因がわかってすっきりしました。
私自身は、以前読んだ『ku:nel(クウネル)』だと思わなければ、それなりに楽しく読みましたよ。
特集●やっぱり大好き。ラーメンの虜
ラーメンの特集は、それこそどんな雑誌でも組まれると思います。さすがに園芸誌にはないかもしれませんけど。でも、男性誌でも女性誌でも、下手をしたら『週刊ザ・テレビジョン』あたりでも、あっておかしくはありません。
今回の特集で面白いのが、有名店やその看板メニューの紹介ではなく、「家で作るラーメン」「インスタントラーメン」にスポットライトを当てているところです。
「おうちラーメン」の肝はスープ。5人の料理家が夏向きのカレーラーメンやあっさりした鶏だしラーメンの(スープの)作り方を紹介しています。
個人的にあっさりした豆もやしとチキンの塩ラーメンが気になりました。
材料は豆もやしと鶏ひき肉、出しよう昆布、塩コショウ、胡麻などの調味料と中華麺、トッピングに煮卵。
水に昆布と豆もやしを入れて中火にかけ、煮立ったら、塩コショウして混ぜた鶏のひき肉を小さくつまんで入れる。
塩コショウをスープに加え、10分煮てから火を止めて10分おき馴染ませる。
茹でた中華麺をどんぶりに盛り、温め直したスープをかけて煮卵をのせる。
あっさりでおいしそう。ひき肉はそれほど好きではないのですが、作ってみようかな。
それ以外にもインスタントラーメンの仕上げにオリーブオイルをひと垂らし、というもの、夏野菜たっぷりでヘルシーな温かいつけ麺のレシピなど、ヘア&メイクアーティストや雑貨スタイリストといった料理家「ではない」人たちの提案があるのも面白いところでした。
さらにインスタントのご当地ラーメン、冷やしラーメンの話題などの紹介も。
キリンラーメンは知っていましたが、「八木山動物公園の象」(仙台・八木山動物公園
/仙台辛味噌味)、「京都市動物園のゴリラ」(醤油味)、「大阪市天王寺動物園の虎」(カレー味)などは初めて見ました。
商品の売り上げの一部は各動物園に寄付されるそうで、いい取り組みだと思います。見かけたら買ってみるつもりです。
『ku:nel(クウネル)』2018.9月号感想とまとめ
ところどころで、「なぜここでこんな記事が?」と思う箇所はあるのですが、先入観なしに読んだら面白いと思います。
季節柄、夏を快適に過ごすためのダメージ予防、及び負ったダメージを低減するためのトピックスも参考になりました。
日焼けをしたらまず冷やす。そして抗炎症作用のある軟膏を塗る、など。ハトムギ茶はむくみのほか、頭痛やだるさをとってくれるというのが私には必要な情報でしたので、次に買物に行くときには忘れず購入しようと思います。
次号予告によると「日々のごはんは、簡単なのがいい!」。美味しい簡単料理の紹介となるようです。
「味噌汁、スープをメインディッシュに」「プロセス2or3のタイ料理」は面白そうなので、時間があれば読むつもりです。
2018.7.20配信開始//2018.11.19配信停止
バックナンバーとして表示されているのが今号を含めて2冊、ということは、楽天マガジンでの取り扱いが始まったのがつい最近ということなのかもしれません。
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