今回読んだ『MONOQLO』は晋遊舎発行の「テストするモノ批評誌」。男性誌ですね。
暫く本屋さんでのんびり雑誌を眺めることからも遠ざかっていたので、この雑誌を知ったのは楽天マガジンに登録したのがきっかけ。もちろん、読むのは初めて。
商品比較系の記事や雑誌は昔から割と好きでしたし、古くは『暮らしの手帖』、通販誌の『通販生活』なんかを読んでいましたが、最近この系統の雑誌が増えているような気がします。
何かを買う時に似たようなものがたくさんあると、自分ひとりで探して、調べて、比較して買うというのが難しくなりますからね。商品比較誌が多いということは、たくさんのものが世に出回っているということになるんでしょうか。
『MONOQLO』 2018.8月号目次
さて、今号の目次はこちら。
ざっと見た感じ、気になるのが
巻頭特集●扇風機NO.1決定戦
連載●Food Hack(バニラアイス20製品)
のふたつ。
今回は巻頭特集について取り上げます。
巻頭特集●扇風機NO.1決定戦
よくよく考えると、扇風機というのは知っているようで、あまり知らない家電なのかもしれません。
ダイソンの、羽がないタイプ以外の扇風機は、どれも似たような形です。羽の数もそれほど違わないイメージですし。
それなのに、2018年発売の新商品は70機以上だとか…ちょっと、いえ、かなり意外です。
なぜそんなに細分化されるんでしょう?わけがわからない。
と、いうわけで読んでみました。
扇風機に求められるもの
私が子供の頃、家にあった扇風機のことは今でもよく覚えています。透明なブルーの3枚の羽根で、頭が重くてどっしりした頑丈な一台でした。おそらくナショナルの製品だったと思います。
風量の調整ボタンが4つ、そしてタイマーもついていて、必要にして充分な扇風機といえるでしょう。正直言って、もし今でもそれと同じ扇風機があるのなら買ってもいい。だって、それで完成されているんだから。
けれども平成も終わりのこのご時世、扇風機につぎ込まれたテクノロジーは、昭和のノスタルジーを軽く凌駕するものでした。
まずは差別化のポイントは、ACモーターかDCモーターか。
当たって心地よい風かどうか。
プラスアルファの付加機能はあるか。
体を冷やす効果は高いか。
静音性はどうか。
簡単に使えるか。
こんな要素が複雑に絡み合って、普及機と上位機では価格差が3万円以上になっているとか。
扇風機が! ゆったりと回る羽根を眺めながら、うとうととお昼寝をした遠い日のおともが、今やこんな難しい家電になっているなんて! などと少なからぬショックを受けました。
とはいえ、そこは扇風機。上位機種はもちろんのこと、普及機でも必要にして充分な機能、すなわち「風を送る」に関しては問題なく備えているので安心です。
つまり、自分にとって何が一番必要な機能なのか、をはっきりさせて選べばそれほど難しいわけではないということですね。たとえば赤ちゃんがいるから、動作音は極力静かな方がいいですとか、操作や組み立てが簡単な方がいい、遠くまで風が届いてほしいなどなど。
ニーズごとに重視したいポイント
では、具体的にどこを重視すればいいのかをチェックしましょう。
心地いい風に当たりたい
風を送り出す方式によって、3つに分かれています。
誌面では均一型、拡散型、波打ち型という呼び方で区別されていました。ぶれずに直進する風が出るのを均一型、包み込むような風が出るタイプは拡散型、上下に揺らぐ風が出るタイプを波打ち型と称したそうです。
均一型と拡散型は上位機種に多く、心地よい風を求めるのならこのグループから選ぶのがよさそうです。なお、均一型と拡散型のハイブリッド的な存在がバルミューダのTheGreenFan EGF-1600。羽根の枚数も他機種の追随を許さない14枚で、かなり気になる一台でした。
冷却効果を求めたい
長時間、扇風機の風に当たっていると体を冷やす―という話を聞いたこともありますが、エアコンに比べると扇風機の冷却効果はそれほど高くはありません。
ですが、計測結果によると成績のいい機種も見受けられ、エアコンは苦手だから扇風機で暑さをしのぎたいというニーズにも応えてくれそうです。
意外だったのが、この冷却効果には羽根の形状や送風の種類、モーターの種類によって違いが出てくるのではなく、純粋に機種の違いによるとされていたところです。
ちなみに、トップだったのはシャープ製のDCモーター機とのこと。
使い勝手のいい扇風機がいい
高級機にはいろいろな付加機能がついています。ナノイー、チャイルドロック、温度センサー、オフタイマーに加えオンタイマーがついている、風量調節の種類などです。
けれどもそれは、あくまでプラスアルファであって、基本的な扇風機の機能としてはどんな機種でもほとんど差異はありません。
そこで、扇風機としてのベーシックな使いやすさ、つまり操作パネルやリモコン、首ふり角度の調整しやすさなどを吟味するのも大事な選定基準となるでしょう。
その観点から見たときにおすすめとして挙げられたのが、日立のHEF-DC6000でした。
操作パネルや角度調整の使い勝手はもちろん、組立不要の一体型というところが高く評価されています。
盲点でしたが、箱から出してそのまま使える扇風機というのは、あまりないようですね。高齢者の一人住まい世帯などには必要な心づかいだと思います。
総合的にトップをとったのは?
バルミューダとシャープの上位機種がほぼ同着でトップ、僅差で日立と続きました。普及機種もコストパフォーマンスには優れているものの、快適さを考えれば上位機種の方がよさそうですね。
個人的には扇風機に4万円を投資するのは躊躇しますし、耐久性もぜひ知りたいところではありますが、ここまできちんと性能を比較検討した結果がわかって非常に面白かったです。
そのほかの特集と連載記事
第2特集●ZOZOTOWN攻略ガイド 中のZOZOSUIT、格安ブランドVSユニクロ など面白く実用的です。
こういうの、サコッシュっていうんですね。知りませんでした。
そして連載のAmazonで販売されているベストセラーの比較記事がまた、読み応えがあって堪能しました。
バニラアイス20選についてはもう少し掘り下げて欲しかったとも思いますが、気になる銘柄については自分で調べればいいですしね。
『MONOQLO』 2018.8月号の感想
広告を入れない雑誌ということなので、いわゆる忖度も最小限…と考えていいのでしょう。男性誌のくくりですが、今号にはキャンプ用品やレジャープールのレビューもありますので、アウトドア用品を探している女性キャンパーやファミリーにもいいと思います。
初めて読んだ雑誌でしたが、またじっくり読み込みたいですし、次号も読みます。
※2018.6.19配信/2018.8.20配信停止
他の雑誌と比べて配信期間が短いのには、何か理由があるのでしょうか。
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