『AERA』40代の気力と体力があるうちに生前整理を始めよう【2019.7.1号】

『AERA』2019.7.1号表紙

暗く沈んだ表紙に「遺言は40代で書く」と「遺言のための100タスク表」がぽっかり浮かんでいるのが気になりました。

終活だのエンディングノートだのがひとしきり流行って、生前整理という言葉も一般的になりましたが、それはまだまだ先のこと。定年までまだ間もあるし。

そんな風に感じてしまいがちなのですが、実はまだ親世代が健在のうちに自分自身の「生前整理」をしておいた方がいいのだそうです。

親にもしものことがあった場合、その対処に時間や手間を取られてしまい、自分のことが先送りになってできなくなってしまうからだとか。

そうはいっても、「生前整理」って具体的に何をしたらいいのか、ピンときませんよね。
私もそうでした。今号の『AERA』を見つけるまでは。

何気なく読んでみたのですが、非常に具体的なタスク表、すなわち「やることリスト」が掲載されていましたので、記録しておきます。

そしてもうひとつ、「遺言書」を作るうえでも非常に参考になりました。今までは、正式な遺言書を作成するには専門家の助けが必要だったと記憶していますが、昨年「民法及び家事事件手続法」が一部改正され、今年7月から施工されることになったなかで、この「自筆証書遺言」の方式も緩和されたそうです。
つまり、「遺言書」が作りやすくなったというわけです。

この記事を読んで、私も他人事ではないなと思ったのが、私の財産を相続する相続人を定めておかないと、まったく交流のない兄弟、そして甥姪に行ってしまうことでした。

もし法定相続人がおらず、遺言書が作成されていなければ遺産はすべて国庫に帰属されてしまうというのも、覚えておきたい点です。

自分の死後、どうするかを考え始めるなら、やはり早い方がいいのかもしれません。そうそうすぐに答えは出ませんから。

生前整理の100タスク表

片づけのスケジュールを書く
家の間取り図を描く
片付ける部屋の順番を決定
片付ける場所の順番を決定

必要・不要・迷うものを選別
思い出の物を厳選する
思い出の物を収納する

不要物を売る
不要物を寄贈する
不要物を捨てる
捨てづらいものは供養する
迷うものを半年後見直す

書類を種類別に分類する
不要な書類を処分する
書類をスキャンして保存する

写真を仕分ける
良い写真はアルバムにする
写真をスキャンして保存する
遺影を選ぶ

自分史をまとめる
行きたい場所の一覧作成
仲直りしたい人の一覧作成
謝りたい人の一覧作成
やりたいことの一覧作成
それをスケジュール化する
そのスケジュールを実行する

大切な人へのメッセージを書く
今後のプランを書く
遺言書を作成する

情報をまとめるノートを作る
家族・親戚の連絡先一覧作成
家系図・親族表の作成
友人・知人の連絡先一覧作成
その他の連絡先一覧作成

健康保険証番号を書く
運転免許証番号を書く
パスポート番号を書く
マイナンバーを書く

通院している病院情報を書く
常用薬を書く
既往歴を書く
アレルギーの有無を書く
ペットの情報を書く

どういう介護を受けたいかを書く
入りたい介護施設等を探す
告知の希望の有無を書く
延命治療の希望の有無を書く
緩和ケアの希望の有無を書く
尊厳死の希望の有無を書く
臓器提供の意思の有無を書く
献体の登録の有無を書く

葬儀をするかしないか決める
どのような葬儀にしたいか書く
葬儀の宗教(無宗教)を書く
葬儀に誰を招きたいか書く
お墓をどうするか決める
どのお墓に入るか決める
棺に入れるものを決める
死後事務委任契約を検討する

預貯金口座情報の一覧作成
使わない口座の解約
口座自動引き落とし情報一覧作成
有価証券情報の一覧作成
金融資産情報の一覧作成
不動産情報の一覧作成
その他資産情報の一覧作成
債権情報の一覧作成
保証債務の一覧作成

ネット銀行の情報を書く
ネット証券の情報を書く
貸金庫・貸倉庫などの情報を書く

クレジットカード情報の一覧作成
不要なクレジットカードの解約
電子マネー情報の一覧作成
ポイントカード情報の一覧作成
保険情報の一覧作成
公的年金情報の確認
私的年金情報の確認
不要な保険の解約

定期購入物・サービスの一覧作成
不要な定期購入物・サービスの解約
クラブ等入会情報の一覧作成
不要な会からの退会
収集物の保管場・処分法を書く

使用デジタル端末の一覧作成
スマホのパスワードを管理する
パソコンのパスワードを管理する
メールアドレスの情報を書く
ネットのプロバイダ情報を書く
利用サイトのID、パスワードを管理する
ブログのパスワードを管理する
SNSのアカウント情報を書く
SNSのアカウント削除案内を読む

パソコン内の整理
スマホ内の整理
タブレット内の整理
クラウドサービス内のデータ整理
SDカード、USBメモリの整理
ビデオ、デジカメなどのデータ整理

以上のことを継続して見直す

まだまだはやい、と思う項目もたくさんありますが、銀行口座の一覧などは万が一の時に備えて記録しておくべきですね。
一冊のノートに大事な情報をまとめておけば、災害に遭ったりなどして預金通帳やカードを紛失した時の助けにもなるでしょうし。

ただし、重要事項を記録するノートには、キャッシュカードの暗証番号は書かない方がいいそうです。

生前整理の進め方

自分にまつわることのあれこれを整理するに当たっては、ポイントがあります。

1.物
2.心
3.情報

の三つのカテゴリーに分けて整理を進めることです。

更に「物」は「日常生活で使用するモノの整理」と「思い出の物の整理」に、

「心」は「写真の整理」と「エターナルノート(自分史、やり残しリスト、大切な人へのメッセージなど、まだ未来にやりたいことの一覧)の作成」に、

「情報」は「エンディング情報の整理」、「財産情報の整理」、「デジタル情報の整理」に細分化されます。

「物、心、情報、この順番でやることが重要です」

というのが遺品出入りや孤独死の特殊清掃を扱う会社の代表の言葉として挙げられていましたが、できるところから少しずつでもやっていった方がいいような気もしますねぇ。

さて、今回、一番心強いと思ったのが、「宝物は捨てなくていい」という記事の見出しでした。
今の段階では、「前向きに生きるために片付けよう!」という精神が重要なのだそうです。
そうですよね。まだ先は長い(はずだ)し、好きなものを捨ててしまうのはつらすぎます。

お気に入りの中から更にお気に入りを選んで、手放せそうなものなら誰かに譲って、ができればそれに越したことはありません。
メルカリを利用すれば、譲渡先が見つかる可能性も高いと思いますし。

いずれにせよ、即行動ですねぇ。

早く始めて、早く一段落つけて。そうすれば、後はのんびり好きなように時間を使える、人生をより楽しめるようになるというわけです。

もしかしたら夏休みの宿題を、計画的に少しずつ片付けるのに似てる…かもしれません。今度は8月31日になって慌てることがないようにしなくては。

少し長くなりそうですので、「遺言書」はまた次の機会にします。

2019.6.24配信//2019.9.23配信停止




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